CT、MRI検査

頸椎・腰椎MRI

神経生検の話で、たまねぎ様構造の説明を書きましたが、髄鞘の脱落と再生を繰り返すうちに神経が太くなります。人によって皮膚の下に触れることがあります。同様の変化が背骨の中の神経(脊髄)から出てきた場所で、神経(神経根)が普通より太く認めることがあります。これもたまねぎ様構造と同様に、慢性炎症性脱髄性多発神経根炎(CIDP)の患者さんでも見つかることがあります。

血液

筋肉が壊れたために漏れ出てくる物質が、一部の患者さんで血液の中で増えています。具体的な検査項目ではCPK、LDH、GOT(AST)などです。GOTやLDHは健康診断では肝臓の検査と表現されることもありますが、筋肉にも含まれている物質です。

他に、CIDPの可能性も考えて、神経の構成成分を壊す可能性のある抗体を調べることがあります。

また、中高年のCMT患者さんでは運動が特に足りなくなって、糖尿病や高コレステロール血症、高尿酸血症を合併してしまうことがあります。少なくとも地域、或いは職場の健康診断は受けておくべきでしょう。

筋肉CT・MRI

主に手足の筋肉を輪切りの写真にして、萎縮している状態を画像で確認します。筋肉は、末梢神経の病気で萎縮することが多く、神経線維の本数が減っていることを反映します。CTはX線CTとも呼ばれ、レントゲンの原理で写真を作ります。MRIは磁気の原理で写真を作ります。MRIの方が少し時間がかかりますが、大体30分程度で終わります。もしかしたら、途中で注射をして、もう一度同じ条件の画像を取ることもあるかもしれませんが、大抵は台の上に横になっていれば済む検査で、機械の方が動いてくれます。

神経伝導検査・針筋電図は神経/筋肉のダメージを電気活動で評価しますが、CTとMRIでは画像上で筋肉の萎縮が確認できます。CT・MRIで筋肉の萎縮が強くても症状は軽かったり、症状が重くてもCT・MRIでは萎縮の程度が軽かったり、ということもあって、神経伝導検査と同様に日常的な症状と、かけ離れた結果が出てくることもあります。